今回はホテルヨーロッパの「シェヘラザード」の新料金システムのご紹介です。 日が落ちると気分を変えてメインバー「シェヘラザード」へ。この、伝説の美女の名を冠したバーは全27席のこじんまりとした空間を提供しています。ヨーロッパのアンティークに囲まれてカクテルを空けていると、いつのまにか、自室でくつろいでいるかのような錯覚におちいってしまいます。 シェヘラザードは、アラビアンナイトの語り手の名前。ペルシャの王、シャハリヤールは女性を信じられず毎日新しい妻を迎えては、その夜に殺していた。そこに迎えられた大臣の娘シェヘラザード。彼女は賢い女性で、毎日面白い話を王に聞かせ続けた。話の続きをどうしても知りたい王は、シェヘラザードを殺さずに毎晩過ごしたとか。そうして千一夜にも続いた物語を聴くことで、かの暴君もシェヘラザードを愛し、シャリアール王は名君になったという。 千夜一夜物語の語り部・伝説の美女シェヘラザードの名を冠したホテルヨーロッパのメインバーは、幾夜もいつの夜も変わらぬ優しさで優雅に包み込むように、一日の余韻に浸らせてくれることでしょう。 そのゆったりとした空間は、イギリス製の絨毯、ゴブラン織りの長椅子、4重に飾られたカーテン(素材・色・柄の違う布地の調和が見事)など、選び抜かれた調度・家具が醸し出す重厚でアンティークな雰囲気は特筆もの。 ほのかな照明の中、非日常の時間をゆったりと寛いで過ごす事がきっと出来る事でしょう。 この空間で聴くコンサートも実に魅力的。 時期により開催時間等は異なりますが、3月1日~16日の予定は次のようなもの。 日曜日 : 19:30~20:10 (ヴァイオリン・コントラバスの二重奏) 22:30~23:10 (ピアノソロ) 月曜日 : 20:00~20:40 、21:00~21:40 (ヴァイオリン・コントラバスの二重奏) 22:00~22:40 、23:00~23:40 (ヴァイオリン) 火曜日 : 20:00~20:40 、21:00~21:40 、22:00~22:40 (ピアノソロ) 23:00~23:40 (ヴァイオリン) 水曜日 : 20:00~20:40 、21:00~21:40 (ピアノソロ) 22:00~22:40 、23:00~23:40 (ヴァイオリン・コントラバスの二重奏) 木曜日 : 20:00~20:40 、21:00~21:40 、22:00~22:40 、23:00~23:40 (ヴァイオリン・コントラバスの二重奏) 金曜日・土曜日 : 20:00~20:40 (ヴァイオリン・コントラバスの二重奏) 23:00~23:40 (ヴァイオリン) これまで、20分ほどのコンサートだったのが、40分に伸びています。月曜~木曜日においては、コンサートのない時間の方が短いほど。 週末の金・土・日においてコンサートの回数が少ないのは、アンカーズラウンジにおいてナイトコンサートが開催される為。 ちなみに3月1日~16日のナイトコンサートの予定は次のようなもの。 金曜日・土曜日 : 21:30~22:35 日曜日 : 21:00~22:05 ヴァイオリンとピアノ、コントラバスによるコンサートで、料金は¥2,000(グラスシャンパン付き。飲めない方はノンアルコールドリンクをいただけるかと) このナイトコンサートの音楽も、シェヘラザードでBGMとして楽しむ事は出来ます。 ホテルヨーロッパは”花と音楽とアートのホテル”として、より上質の空間となるように、様々な試みが重ねられています。 薔薇の館以降の趣向を凝らしたロビー空間は見事ですし、クラブラウンジ”クラブヨーロッパ”の誕生、ホテル内コンサートの復活・充実など素晴らしいものがあります。 これらの上質化は他のホテルとの差別化ともなり、高級化にもつながるかと。 その変化の表れの1つとしてシェヘラザードの料金システムの変更がなされています。 これまで、シェヘラザードはチャージの類はなく、ドリンク代(及びオーダーしたフード代)のみで利用出来ましたが、よく見てみるとオフィシャルサイトにおいて「カバーチャージあり」の記載がいつの間にかなされています。 ホテルヨーロッパロビーにあるホテルインフォメーションの案内板にも小さく同様の記載が。 ただし、シェヘラザードの入口には料金システム変更に関して何の案内も見ることが出来ません。 よ~く、よ~く見ると、提示されているメニューの最下段に「メニューの表示価格は、サービス料が含まれております。尚、チャージ料1名様につき¥500~別途頂戴いたします。」という細かな文字での記載を見る事が出来るかも。「¥500~」の「~」はチャームを意味してのものでしょうか。 どのような料金システムになったのか、キチンとした案内表示等を見ることが出来ていませんので、詳細不明な点もあります(現時点ではまだ試行段階という事もあるのでしょうが)が、チャームが2人分(1人でも同額)で¥900、上記シェヘラザードでのメインバーコンサート開始時間以降は、それに加えてカバーチャージが1人につき¥500というもののようです。 さて、チャームとかカバーチャージってお分かりになりますでしょうか?まだ、最終的にどのような形にするのか固まっていないからかもしれませんが、入口に案内表示は欲しい気が私はします。 ホテルヨーロッパが”おもてなしの美学”を大切にしているのであれば、”顧客目線”に立ったサービスは不可欠のものと思え、わかりやすい案内は望ましいように思います。 席について、いきなりチャーム云々言われても十分に理解できない方も少なくないでしょうし、それなら止めたと店を出る度胸?のある方も(たぶん)少ないかと。これまで同様ノーチャージと思って来店された方の中には、ええっ!と思いながらも仕方なく利用する方もおられるのでは? もともとドリンク代等以外に費用が掛からなかったのが異例な事で、ホテルのバーに限らず市中の飲み屋さんでは何らかの形で飲み代以外の費用を求められる事が通例のように思います。言わずもがなの事かもしれませんが、(リゾートでもあるハウステンボスにおいて飲みたいなァって方の中には日常生活では外で飲まれる機会があまりない方も少なくないだろうと思いますので)簡単に書き記してみると 代表的なのはセット料金で、これは多くの場合スナックなどボトルキープして飲むことの多い店に見られるシステムで、キープしたボトルをいただく際に、水割りやロックに用いる氷やミネラルウォーターといったセットに要する費用と言えるかと。 居酒屋さんなどだと、入店後最初に出されるお通しに何某かの料金が付加されている事が多いかと。 ハウステンボスのバーなどが異例ともいえる、そのような料金なしなのは、ハウステンボス自体に入場するのに入場料を支払っているから、といった考えからだった可能性もありますが、だとするとフリーゾーンに位置することとなったホテルヨーロッパのメインバーにおいては何らかの料金付加は自然な事とも言えそうです。 チャームというのは聞きなれない言葉だなァという方も少なくないと思いますが、一般に乾き物などのおつまみのことを指すようです。 バーやスナックなど、セット料金やチャージをとっているお店の多くで出されるもので、居酒屋のお通しに近い感覚でしょうか。 チャームは小洒落たスナック菓子やチョコ、ナッツ類など乾き物が多いように思いますが、簡単なオードブルを出すお店もありますし、コンソメスープを出すお店も。 一般的にセット料金やチャージ料金に含まれるサービスの一部として出される事が多いように思え、その為チャーム代金を請求されることはあまりないように思いますが、シェヘラザードにおいては、(例え1人客であっても)2人分出して¥900というシステムに現在なっています。 1人で利用しても2人分出され¥900支払うシステム。写真は3月4日に私がいただいたチャームです。「オリーブが嫌いな方もおられるかと思うけど?」という問いには「違ったものをお出しします。」という答え。 私個人は飲むときに乾き物をいただく事は通常ないので、3つともいらない時は・・?と思わないでもなかったけども黙って受け取り、そのまま残しちゃいました。 シェヘラザードにはアドミ調理のものも含め素敵なフードメニューがありますが、チャームが登場した事で私などはそれらのフードメニューとは縁が遠くなりそうな気も。。。可能であれば、チャームの代わりに差額料金(ないしは若干の+α)で好みのフードをいただけるようになってくれるとありがたいのですが。 早い時間帯はこのチャームのみですが、前述のように上記シェヘラザードでのメインバーコンサート開始時間以降は、それに加えてカバーチャージ¥500が付加されるようです。 カバーチャージというのは「席料」と説明される事が多いかと。チャージの必要性はサービスの為と説明される事が多いでしょう。サービス料だと説明される事も。ここでいうサービスは店の内装、おしぼり、グラス、調度品、花、音楽など諸々を含めてのもの。 シェヘラザードでは、上記のようにホテルヨーロッパでコンサートの充実が図られている為、それに対応してといったニュアンスもあるようですが、コンサートのライブフィー(ライブを楽しむ為の支払い)とするとライブの空白時間がある為カバーチャージとしているようですね。 ところで、サービス料と言うとホテルの飲食店においては通常サービス料(多くは)10%が加算される事が多いかと。 ウィキペディアには「西洋式ホテルの草創期、日本になじみにくいチップ制度を客に強要することもできず、困ったホテル側が、チップを定額化し、客に請求することとしたのがきっかけとされる」と記されています。 もちろんシェヘラザードでのドリンク、フードは税・サービス料込みのものとなっています。 今回の料金システム改正により、シェヘラザードにおいては利用時間によっては、チャームにカバーチャージにサービス料の三役揃い踏みとなります。私の乏しいのんべ経験においては初めて出会うシステムになりますが、流石はホテルヨーロッパ!というところでしょうか。 ちなみに宿泊プランにシェヘラザードで使えるドリンククーポンが付いているものもあるようですが、この場合クーポン利用の際にはチャームなどはかからず、2杯目からそれらの対象になるらしいです。 このあたりも含め、試行しながらシステムは変わっていく可能性があり、ここに書いた事も既に今日には変わっている可能性も無きにしも非ずで、何か変化に気づくことがありましたら、付記するなり何らかの形でご紹介したいと思っています。 なおオークラウンジはこれまで同様チャージなどは一切かからない事は4日確認してきました。未確認ですが、グランキャフェやカフェ・ド・ハーフェンもこれまで同様ノーチャージかと。 カラオケも楽しめるパロットは男性のみチャージ¥1,000で、マジックショーを楽しめるムーンシャワーは現在S席 大人1,000円、小人500円(小学生以下)、A席 大人500円、小人300円(小学生以下)で別途1ドリンクオーダー制となっています。 シェヘラザードの重厚な雰囲気は特筆ものであり、ライブも充実するとあっては今回のような変更も(私の思う案内不足は別として)納得できる部分もありますし、依然として利用する価値・魅力のあるシェヘラザードですが、ハウステンボスにはいろいろなナイトスポットがありますのでお好みにより利用されるとよろしいかと。
by mattarinonbe
| 2012-03-06 00:17
| 迎賓館・ホテルヨーロッパ
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